カナダ永住権・クイックガイド
カナダ永住権取得・移住には多くの方法がありますが、ここでは日本の方が通常対象となる "ビジネス移民・個人スキルドワーカー・カナダ経験留学"
の三つのクラスの概要を簡潔に解説いたします (Sept. 2023):
1. ビジネス移民クラス:
会社経営者、クリニック経営者、企業管理職の方を対象としたもので、メリットは他のクラスと比較し、英語試験(IELTS) の受験が不要であること、あるいは
IELTS 受験が必要なケースでも中級レベル(英検 2-3級程度) のスコアで十分であること、年齢(例: 35歳を超えた場合)による不利な要素が無いことです。会社経営、クリニック経営、または会社管理職、事業マネジメントの職歴が要件であり、CA$800,000
~ CA$2,000,000 (日本円で 8000万円 ~2憶円) 以上の資産証明(e.g. 預金、株式、不動産、保険契約等を含む) が併せて必要となります:
Investor Visa 投資家ビザ |
対象: 経営者・クリックオーナー医師・企業上級管理職 保有資産: 約2億円以上(預金・不動産・株式・保険契約等) 年齢(36歳以上)よるマイナス査定が無い / 就労義務が無い ⇒ カナダ投資移住解説 |
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Canada Startup Visa 起業家ビザ |
対象: 経営者・会社管理職・医師・エンジニア系の方等 保有資産: 6,000万円以上(預金, 不動産, 株式, 保険契約等) 1-2年でカナダ居住が可能 ビジネスの成否にかかわらず永住権認可が約束されている 年齢(36歳以上)よるマイナス査定が無い 英語スコア(中級程度, またはフランス語)提出が必要 ⇒ スタートアップビザ解説 |
2. 個人スキルドワーカークラス:
学歴・職歴・IELTS英語スコア・年齢等の要素を点数化、総合ポイントで永住権認可の可否が判断されます。年齢が35歳を超えますと減点対象となり、IELTS英語スコアは通常、各バンド
6 - 6.5 以上(= 実用英検1級以上)のレベルが求められます。過去にカナダ国内で一年以上の就労歴、または二年以上の正規留学歴がある方には追加ポイントが与えられます。現状は日本国内の四年制大卒の方で職歴がある方でも基準パスは難しくなっております:
Skilled Worker Class 技能移民 |
規定の職歴がある方 学歴が重要な査定要素 / IELTS or CELPIP 上級レベルが必要 年齢35歳位迄の方が有利 (36歳以上から年齢要素で減点) カナダで就労歴・留学歴がある方は有利(ESL留学は対象外) カナダ企業からジョブオファーが獲得出来れば極めて有利 ポイント査定で 67点以上が申請資格の有無の目安 ⇒ 自動ポイント査定 ⇒ 解説・成功へのヒント |
3. カナダ経験者(留学)クラス:
カナダ移民局が認定したカナダ国内の専門カレッジ、大学等で 2年以上の正規コースを修了後、カナダ国内で 2-3年のフルタイム就労の経験を積みますと永住権申請資格が取得出来ます。移民局が認定する専門カレッジは入学要件の一つに英語スコア
IELTS 5 - 6 (実用英検1級-2級以上)程度は必要であること、2年間の留学総費用 (生活費 + 授業料 ≒ CA$100,000 以上)
日本円で 900万円以上となる点を考慮する必要があります。類似したもので "ケベック州パスウェイプログラム" がありますが、要件の一つに
"フランス語中級以上のスコア証明" があります。移民局が認定した専門カレッジ・大学修了後に取得出来る "就労ビザ"
は "Post graduate work permit" と呼ばれ 2-3年の期間限定でカナダ国内で就労が許可されます:
CEC カナダ経験者 |
カナダ国内で就労ビザによる就労歴, カナダの公立大学・教育機関等で 1-2年以上の就学歴がある方に申請資格が与えられます ⇒ CEC詳細 |
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Post-Graduation Work Permit(PWGP) |
カナダ国内の公立大学, 私立大学等でフルタイム就学・学位取得後 1 - 3年 のフルタイム就労後カナダ永住権申請資格を得られます ⇒ PWGP詳細 |
留意すべき点:
2年間の留学に要する総費用(= 授業料 + 生活費)は円換算で 900万円以上となります。カナダ国内の専門カレッジ・専攻学科の中には "Post
graduate work permit" 認可対象外のカレッジも多く存在しますので専門カレッジ・学科の選択にはご注意ください。2年間の留学修了後に就労を開始する際の職種選択では、永住権申請の際の
"NOC 移民局指定のスキルレベルの職種" で職が得られない場合の対応、パスウェイプログラム等では集団訴訟となった最近の事例もある様に、数年後に資格要件が変更されるリスクがありますので、留学斡旋業者の方からの情報だけではなく、留学を検討される専門カレッジ・大学に関する正確な情報、修了生の進路実績を確認されることをおすすめします。
メモ:
カナダ移民局は先日、 2023-2025年の各年度で約50万人の新規移民受入計画を発表しております。従来の年間受入実績約 40万人から更に増加となりますが、直近15年以上に亘り受入枠数を大幅に超えるカナダ永住権取得希望者が存在している状況を踏まえますと、カナダ永住権取得の難易度が大きく変動することはないものと推定されます:
参考引用元 ⇒ カナダ移民局 Twitter