カナダ移民 PNP 解説
カナダ国憲法に基づき、連邦政府と各州・準州は移民制度を管理する権限を共有、連邦政府移民局が策定する移民プログラムとは別に、国内の各州が独自の基準を設定し、特定の技能を持った方、あるいは州が認可した特定の事業に投資を行う方を対象に移民受入を行う
PNP(= Provincial Nominee Program "州推薦プログラム")と呼ばれる移民受入制度があります:
Manitoba, Saskatchewan, Newfoundland, Prince Edward Island, British Columbia
等の各州が規定する要件を満たすことにより、州政府移民局が移民受入を確約する Certificate を発給、その後、連邦政府による Security
checks(= 無犯罪証明書提出、健康診断受診)の手続き経てカナダ永住権が認可されます(01-2026)。
PNP 永住権認可迄のフローチャート
| 1 | 移民受入適格性確認 (各州が規定する職種・スキル要件に基づき選考) |
| ↓ | |
| 2 | 申請手続き (スキル証明・IELTS, CELPIP, TEF等の語学スコア提出) |
| ↓ | |
| 3 | 州 PNP に登録 雇用主からのジョブオファーが必要となる場合があります |
| ↓ | |
| 4 | 州政府から Nomination(推薦状)を取得 |
| ↓ | |
| 5 | IRCC(連邦政府移民局)に対し PR(永住権)を申請 (出生証明書、無犯罪証明書等を提出) |
| ↓ | |
| 6 | 移民局指定クリニックで健康診断 |
| ↓ | |
| 7 | IRCC から永住権ビザ認可 |
Note #1: PNP 各プログラムに拠り、一部のプロセスは変更される場合があります。
Note #2: PR(永住権)認可迄の総所要期間は 4 ~ 5年程度。
ポイント:
PNP のメリットは、各州や準州が独自のニーズに基づいて移民受入候補者を選考できることです。選考基準は州により異なり且つ、1~2年毎にアップデートが行われます。
カナダ州指名プログラム (PNP):2025年の総括と2026年の展望:
2025年は、カナダの地域移民制度において大きな転換点となる一年でした。連邦政府による方針変更が各州のプログラムに波及し、2026年に向けた新たな流れを形成しています。
1. 2025年の激変:受入目標の半減 2025年の最大のトピックは、連邦政府がPNPによる永住権受入目標(Landings target)を前年の11万人から5万5,000人へと50%削減したことです。これにより、各州への指名割当数(Allocation)も大幅に削減され、州政府は厳しい対応を迫られました。
2. 各州・準州の対応 割当数の減少を受け、多くの州がプログラムの厳格化を行いました。主な傾向は以下の通りです。
ストリームの閉鎖・統合: 既存ルートの一時停止や廃止。優先職種の選別: 医療や建設など、労働市場のニーズが高い職種を優先。EOI(関心表明)システムの導入:
申請を無制限に受け付けるのではなく、州が候補者を選抜する方式への移行(ニューファンドランド・ラブラドール州、ユーコン準州など)。ケベック州の動向:
独自の移民制度を持つケベック州でも、PEQ(留学・就労経験者向けプログラム)の終了やモラトリアムの実施など、移民抑制の動きが見られました。
3. 年後半の修正と枠の追加 州政府からの強い要請を受け、2025年後半にはオンタリオ州を除く多くの州で割当枠の追加が行われました。特にブリティッシュ・コロンビア州(+2,214枠)やアルバータ州(+1,528枠)などで大幅な増加が見られました。
4. 2026年の展望:大幅な回復へ 2026-2028年の移民計画において、連邦政府は2026年のPNP受入目標を91,500人(前年比66%増)に設定しました。これにより、各州の指名枠が拡大し、より多くの候補者に招待が発行されることが期待されます。特に、「すでにカナダ国内に滞在している候補者」の永住権移行が重視される見通しです。
各州 PNP の現在の状況:
ブリティッシュ・コロンビア州 (BC)
招待の制限: 一般的な招待を一時停止または制限し、「影響力の高い(High-impact)」候補者のみに絞り込んでいます。
留学生ストリーム: 国際卒業生向けストリームの開始を一時停止。
要件厳格化: 医療従事者などの特定グループに対しても適格性を狭めており、「招待数を減らし、より厳選する」方針をとっています。
アルバータ州 (AB)
選考基準の変更: Express Entry枠における「家族の繋がり」や「需要職種」といった加点要素を廃止し、より管理された選抜へ移行しました。
主力ストリーム: 「Alberta Express Entry」および「Alberta Opportunity Stream」に招待を集中させています。
オープンワークパーミット: 割当不足を理由に、PNP候補者向けの連邦オープンワークパーミット支援策への参加を終了しました。
サスカチュワン州 (SK)
ストリーム閉鎖: 起業家(Entrepreneur)、留学生起業家、農場所有者カテゴリーを恒久的に閉鎖しました。
職種制限: 新たな優先セクターを設定し、特定の職業には人数制限(キャップ)を設けています。
マニトバ州 (MB)
熟練労働者重視: 「Skilled Worker Overseas」および「Skilled Worker in Manitoba」ストリームに招待を集中させています。特に戦略的リクルートイニシアチブ経由の候補者を重視。
ワークパーミット支援: 連邦政府のPNPオープンワークパーミット政策に参加している数少ない州の一つです。
オンタリオ州 (ON)
割当状況: 2025年後半に他の多くの州が割当増枠を受ける中、オンタリオ州は例外的に増枠がありませんでした(初期割当 10,750名のまま)。
ノバスコシア州 (NS)
国内滞在者優先: カナダ国内に居住・就労しており、かつ2025年にビザが期限切れになる候補者を優先。その中でも医療・建設分野が最優先されています。
EOI導入: 州全体でEOI(関心表明)システムを正式に導入しました。
ニューブランズウィック州 (NB)
優先セクター: 医療、教育、社会福祉、建設業を明示的に優先カテゴリとして選抜しています。
制限: 「Strategic Initiative」ストリームは在庫過多のためEOI受付を停止しており、現地視察(Exploratory visit)関連の受付も停止中です。
ニューファンドランド・ラブラドール州 (NL)
EOI移行: 申請数を管理するため、EOI(関心表明)モデルへ移行しました(EOI提出者の中から招待された人のみが申請可能)。
北部準州 (Territories)
ユーコン準州 (YT)
EOI導入: 割当半減に伴い、EOIシステムを導入しました。
ワークパーミット支援: マニトバ州と共に、連邦のPNPオープンワークパーミット政策に参加しています。
ノースウエスト準州 (NWT)
受付期間設定: 年に3回の申請受付期間(Window)を設ける新システムを導入しました。
キャップ到達: 雇用主主導およびフランス語話者ストリームは上限に達しましたが、ビジネスストリームは継続しています。
ケベック州 (Quebec)
PEQ終了: 主要な永住権ルートであった「Quebec Experience Program (PEQ)」が2025年11月19日をもって終了しました。
新制度 PSTQ: 2025年7月より「PSTQ」が再稼働。フランス語能力を重視したポイント制の招待モデルとなっています。
家族スポンサー制限: 配偶者や成人した子供、親・祖父母のスポンサー申請受付が上限に達し停止されています。

カナダ移民 参考リンク
☆ カナダ永住権とは ?☆ カナダ投資ビザの解説
最終更新:2026年1月2日
