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カナダ永住権取得後 医師として働くために

カナダ永住権を持つ日本の医師が、カナダで臨床フェロー (Clinical Fellow) として経験を積み、 その後、正式な医師免許取得を目指す代表的なルートを解説いたします。 日本の医師免許とカナダ永住権をお持ちの場合、カナダで臨床フェローとして就労できる可能性は高く、 その後、正式な医師免許を取得し、独立した医療行為を行うためには複数のルートがあります。 以下、最新の MCCQE 制度、臨床フェローとしての就労方法、医師免許取得に向けたアプローチ、 さらに近年強化された永住権・就労パスウェイについて整理してご説明いたします (April 2026)。

1. 臨床フェローとして働く:

カナダの大学病院では、外国の医師向けに臨床フェローシッププログラムを提供しており、 日本の医師免許を持つ医師が、スーパーバイザーのもとで臨床経験を積むことができます。 ただし、臨床フェローは正式な独立医師免許を持たない立場であることが多く、 単独で診療を行うことはできません。

臨床フェローとして就労するための条件:

日本の専門医資格 (推奨、またはプログラムによっては必須):
カナダの大学病院で臨床フェローとして採用されるためには、 日本での専門医資格を持っていることが有利であり、 プログラムによっては必須となる場合があります。

英語力 (またはフランス語力):
IELTS Academic、OET Medicine、TOEFL iBT などが求められる場合があります。 特に近年は、総合点だけでなく、 Listening / Reading / Writing / Speaking の各項目 (Each band) ごとの最低基準が 重視される傾向があります。「IELTS 7.0以上」と一括で理解するのではなく、 志望州・志望プログラムごとの各 Band 要件を確認することが重要です。

研究実績 (推奨):
フェローシップの選考では、過去の研究実績や論文発表が重視されることがあります。

豊富な臨床経験(推奨):
特に大学病院のフェローシップでは、数年以上の臨床経験を求められる場合があります。

⇒ 臨床フェローとして就労するまでのステップ:

Step #1: 英語力の向上
IELTS Academic、OET Medicine、TOEFL iBT など、応募先が要求するスコアを取得。

Step #2: 日本での専門医資格取得 (推奨)
専門医資格があると、フェローシップの選考に有利です。

Step #3: 臨床フェローのポジション探し
カナダの大学病院のウェブサイト等で募集情報を確認します (例: University of Toronto, McGill University, UBC など)。

Step #4: 臨床フェローシップへの応募
必要書類 (履歴書、推薦状、研究実績、英語スコア、日本の医師免許証など) を準備し、 書類審査と面接を経て応募します。

Step #5: カナダでの臨床フェローシップ
臨床フェローとして勤務し、カナダの医療制度や臨床環境への理解を深めます。

カナダで医師として働くイメージ


2. カナダで医師免許を取得し、正式な医師として働く:

カナダで正式な医師免許を取得し、独立した診療を行うには、 主として以下のルートがあります。

ルート (1): レジデンシープログラム (Residency) を経て医師免許を取得:

最も一般的な方法で、カナダの医療システムに適応しながら 医師としてのキャリアを築くルートです。

Step #1: MCCQE (旧 MCCQE Part I) に合格
カナダで医師免許取得を目指すうえで重要な基礎試験が、 MCCQE (Medical Council of Canada Qualifying Examination) です。2026年4月1日より、従来の正式名称 「MCCQE Part I」 は 「MCCQE」 に統一されました。また、2025年以降の新形式では、 従来存在した Clinical Decision-Making (CDM) 問題が廃止され、 現在は 230問の多肢選択式問題 (MCQ) のみで構成される試験となっています。したがって、受験対策上は、 「記述型・短答型の意思決定問題への対策が不要となり、 MCQ 対策に集中しやすくなった」点が重要です。資格認証や書類提出は、MCC の physiciansapply.ca を通じて進めるのが一般的です。

Step #2: CaRMS (Canadian Resident Matching Service) に登録し、レジデンシーに応募
CaRMS で International Medical Graduates (IMG) 枠に応募します。 プログラムによっては、NAC Examination など追加的評価が必要になる場合があります。レジデンシー修了後、州ごとの要件を満たすことで licensure 取得へ進みます。

注記 1:
2021年に MCCQE Part II は廃止されました。さらに、 2026年1月26日以降、LMCC (Licentiate of the Medical Council of Canada) の 資格付与・発行プロセスは近代化され、 従来よりも迅速でデジタル化された仕組みへ移行しております。 したがって、 「LMCC の資格が付与されます」 という理解に加えて、 現在は発行プロセス自体が簡素化されている点も押さえておくべきです。

注記 2:
MCCQE (Medical Council of Canada Qualifying Examination) とは、 カナダで医師免許取得を目指す際に重要となる試験です。 現在は一日・コンピュータベース・230問の MCQ 形式で実施され、 医学知識に加え、カナダで求められる臨床判断力も評価対象となります。 Part II はすでに廃止されており、 現在は 「Part I / Part II」 という二段構えではなく、 MCCQE という単一名称で整理される方向となっています。

ルート(2): Practice Ready Assessment (PRA) を利用

⇒ 十分な臨床経験がある場合、レジデンシーを経ずに 医師免許取得が可能となるルートです。

Step #1: 州ごとの PRA プログラムに応募
PRA は、海外で訓練・実務経験を有する医師が、 カナダ国内の実地環境で一定期間の supervised assessment を受け、 独立診療に必要な能力を評価される制度です。近年は医師不足を背景に、PRA を導入・拡大する州が増えており、 IMG にとっての門戸は以前より広がっています。

Step #2: 評価プログラム (通常、数週間~数か月の臨床評価)
病院や地域医療の現場で実際に診療を行いながら評価を受けます。

Step #3: 合格すれば州ごとのライセンス取得へ進む
PRA を利用できるのは特定の州のみであり、 対象分野、英語要件、必要年数、Return of Service の内容などは州によって異なります。 Practice Ready Assessment (PRA) プログラムは、国際的に訓練を受けた医師が カナダで医師免許を取得するための代替ルートとして、 主に以下の州で提供されています:

・ブリティッシュコロンビア州: Practice Ready Assessment – British Columbia (PRA-BC)
・アルバータ州: Practice Readiness Assessment Alberta (PRA-AB)
・サスカチュワン州: Saskatchewan International Physician Practice Assessment (SIPPA)
・マニトバ州: PRA Manitoba
・オンタリオ州: Practice Ready Ontario (PRO)
・ニューブランズウィック州: PRA-NB
・ノバスコシア州: NSPRAP
・ニューファンドランド・ラブラドール州: PRA-NL

オンタリオ州の Practice Ready Ontario (PRO) について:
以前は「オンタリオ州には PRA がない」と理解されることもありましたが、 現在は Practice Ready Ontario (PRO) が整備されております。これは Touchstone Institute が運営し、CPSO と連携して行われる オンタリオ州の PRA プログラムであり、 主として国際的に訓練を受けた family physician / general practitioner を対象とします。 選抜後には Clinical Field Assessment が行われ、 成功した候補者には Return of Service が求められるのが一般的です。したがって、オンタリオ州も現在では、 IMG に対して実務ベースで門戸を広げている州の一つといえます。

カナダで医師として働く主なルート比較(更新 2026年4月)

ルート 永住権が必要か 期間 MCCQE 要否 難易度 特徴 2026 更新ポイント
臨床フェロー
(Clinical Fellow)
不要
(就労許可, または永住権で可)
1~3年 通常は不要 指導医の監督下で臨床経験可 先に就労してから永住権へ進むルートも現実的
レジデンシー
(Residency)
多くの州・IMG枠で永住権, または市民権が有利または必要 2~5年 必要 研修医として勤務し, 修了後に州別 licensure へ 試験名は MCCQE に統一
PRA
(Practice Ready Assessment)
州・プログラム次第 / 永住権が有利な場合あり 3~12ヶ月
(評価+導入)
州要件によるが, 必要なケースが多い 既経験医向けの実地評価ルート / 直接 licensure へ進める可能性 Ontario PRO が本格運用 / 12週間 CFA+3年 ROS

重要注記:

  1. MCCQE: 2026-04-01 から正式名称を MCCQE に統一 (旧 MCCQE Part I)。
  2. 試験形式: 2025年以降は Clinical Decision-Making (CDM) 問題が廃止され、230問の MCQ のみ。
  3. LMCC: 2026-01-26 以降、12か月の postgraduate training 要件が廃止され、より簡素・迅速な発行プロセスへ移行。
  4. Ontario PRA: Practice Ready Ontario (PRO) は 12週間の Clinical Field Assessment と 3年の Return of Service が基本。
  5. 難易度: 一般的な目安。

カナダ永住権を持つことのメリット:

1. 就労ビザが不要、または就労上の制約が小さいため、 フェローシップ応募や医師免許取得準備が進めやすい。
2. 雇用主依存の制約が少なく、応募可能なポジションの幅が広がる。
3. レジデンシー応募や州別ライセンス手続きにおいて、 実務上有利に働く場合がある。
4. 家族を含めた生活設計が立てやすく、州内での定着意思も示しやすい。


もっとも、現在は「まず永住権を取得し、その後に進む」ことだけが 唯一の現実的ルートではありません。 近年は、医師であること自体が、永住権・就労上の強力な優遇要素 となりつつあります。

近年強化された医師向け永住権・就労パスウェイ:

  1. Express Entry のカテゴリー選考や、医療職向け優先措置により、 医師を含む医療人材が以前より重視されています。
  2. さらに、州または準州からノミネートされた医師については、 就労許可が 14日以内で迅速処理される仕組みが導入されており、 永住権申請中でも早期に就業を開始できる可能性が高まっています。
  3. そのため現在は、「まず永住権、次にフェロー」という順番だけでなく、「州のサポートを得て渡航し、働きながら永住権を進める」というルートも、十分に現実的な選択肢となっています。

まとめ:

カナダ永住権を持つ日本の医師にとって、 臨床フェローとして働きつつ、レジデンシーまたは PRA を利用して 医師免許取得を目指すルートは、引き続き有力です。加えて近年は、 MCCQE の名称整理と試験形式の簡素化、 LMCC 発行プロセスの近代化、 Ontario を含む PRA の拡大、 さらに医師向け移民制度の強化が進んでおり、 IMG にとっての現実的な選択肢は以前より広がっています。実際には、州・専門分野・応募時期によって要件は異なりますので、 最終的には MCC、IRCC、各州規制当局、各 PRA 運営機関の公式情報を 必ずご確認ください。

Note:
ここで書かれている情報は、2026年4月時点のものです。 実際のご準備、お手続きをされる際は、 カナダ国内の公式サイトで最新情報を必ずご確認くださいますようお願いいたします。


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最終更新:2026年4月20日

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