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カナダ永住権取得後 医師として働くために

カナダ永住権を持つ日本の医師がカナダで臨床フェローとして働き、医師免許を取得するためのアプローチを解説いたします。日本の医師免許とカナダ永住権をお持ちの場合、カナダで「臨床フェロー(Clinical Fellow)」として就労できる可能性は非常に高くなります。その後、カナダで正式な医師免許を取得し、独立した医療行為を行うためには、複数のルートがあります。以下に、最新の MCCQE試験制度と、臨床フェローとしての就労方法、医師免許取得に向けたアプローチについて解説します(04-2025):

1. 臨床フェローとして働く:
カナダの大学病院では、外国の医師向けに臨床フェローシッププログラムを提供しており、日本の医師免許を持つ医師がスーパーバイザーのもとで臨床経験を積むことができます。ただし、臨床フェローは正式な医師免許を持たないため、独立して診療を行うことはできません。

臨床フェローとして就労するための条件:
① 日本の専門医資格(推奨、またはプログラムによっては必須):
カナダの大学病院で臨床フェローとして採用されるためには、日本での専門医資格を持っていることが有利(選考時に重視)、または必須の場合があります。

② 英語力(またはフランス語力):
IELTS または TOEFL iBT で高スコアを取得する必要があります。 多くのプログラムでは IELTS 7.0 (Academic module)以上が求められます。

③ 研究実績(推奨):
フェローシップの選考では、過去の研究実績や論文発表も重視されております。

④ 豊富な臨床経験(推奨):
特に大学病院のフェローシップでは、最低数年の臨床経験を求められることがあります。

⇒ 臨床フェローとして就労するまでのステップ:
Step #1: 英語力の向上: IELTS(Academic module) または TOEFL iBT のスコア取得。
Step #2: 日本での専門医資格取得(推奨): 専門医資格があると、フェローシップの選考に有利です。
Step #3: 臨床フェローのポジション探し: カナダの大学病院のウェブサイトなどで募集情報を確認(例: University of Toronto, McGill University, UBC など)。University of Toronto PGME などの公式サイトを活用。
Step #4: 臨床フェローシップへの応募: 必要書類(履歴書、推薦状、研究実績、英語スコア、日本の医師免許証)を準備。書類審査と面接を経て、合格すればフェローとして採用。
Step #5: カナダでの臨床フェローシップ: 臨床フェローとして 1年以上勤務。
カナダで医師として働くイメージ


2. カナダで医師免許を取得し、正式な医師として働く:
カナダで正式な医師免許を取得し、独立した診療を行うには、以下の2つのルートがあります。

ルート①: レジデンシープログラム(Residency)を経て医師免許を取得:
最も一般的な方法で、カナダの医療システムに適応しながら医師としてのキャリアを築くルートです。

Step #1: MCCQE Part 1 試験に合格(最新試験制度反映)
2024年10月まで: MCCQE Part 1 は9時間形式で実施。
2025年4月以降: 試験時間は約6時間30分に短縮され、230問の多肢選択式問題(MCQ)のみに変更。
Medical Council of Canada(MCC)で資格認定を受け、Medical Credential Assessment(ECA)を取得。

Step #2: CaRMS(Canadian Resident Matching Service)に登録し、レジデンシー応募
CaRMS で International Medical Graduates(IMG)枠に応募(臨床フォローシップ修了後であれば、カナダ人と同等枠で応募可能な場合があります)。また、専門医資格が必要となる場合があります。
- NAC OSCE 試験(臨床試験)を受験。
- レジデンシー(専門医研修)を2~5年修了。

注記 1:
2021年6月、MCCQE Part 2 が廃止され、これに伴い、MCCQE Part 1 に合格し、12ヶ月以上の臨床研修を修了すると Licentiate of the Medical Council of Canada(LMCC)の資格が付与されます。

注記 2:
MCCQE(= Medical Council of Canada Qualifying Examination)とは、カナダで医師免許を取得するために必要な試験です。目的は、カナダにおける医療行為に必要な知識、臨床能力、専門性を持っているかを評価します。受験資格は、カナダの医学校を卒業した者、またはカナダ国外の医学校を卒業し、カナダで医師免許を取得しようとする者が受験できます。試験内容は、MCCQE Part 1(= 主に医学知識を問う筆記試験で、臨床上の意思決定能力も評価) のみで年に数回実施されます。前述の通り、MCCQE Part 2(= 主に臨床能力を評価する実技試験で、客観的臨床能力試験 OSCE: Objective Structured Clinical Examination 形式)は、2021年6月に廃止されました。

ルート②: Practice Ready Assessment(PRA)を利用
⇒ 臨床経験がある場合、レジデンシーを経ずに医師免許取得が可能なルートです。

Step #1: 州ごとの PRA プログラムに応募:
ブリティッシュコロンビア州 (BC-PRA)、サスカチュワン州 (SIPPA)、マニトバ州 (MCRP)、ノバスコシア州 (PRA-NS) などで実施。応募要件は MCCQE Part 1 試験合格(一部の州は不要)、2年以上の臨床経験(= 州によっては3年以上の場合があります)。また、専門医資格が必要となる場合があります。

Step #2: 評価プログラム(約3~6ヶ月の臨床評価): 病院で実際に診療を行いながら評価を受けます。

Step #3: 合格すれば州ごとのライセンスを取得: PRAを利用できるのは特定の州のみなので、希望する地域で利用可能か事前に確認が必要です。Practice Ready Assessment(PRA)プログラムは、国際的に訓練を受けた医師がカナダで医師免許を取得するための代替ルートとして、以下の州で提供されています:

• ブリティッシュコロンビア州: Practice Ready Assessment – British Columbia(PRA-BC) URL⇒ prabc.ca
• アルバータ州: Practice Readiness Assessment Alberta(PRA-AB)
• サスカチュワン州: Saskatchewan International Physician Practice Assessment(SIPPA)
• マニトバ州: University of Manitoba International Medical Graduate Program(PRA MB – Family Practice & PRA MB – Specialty Practice)
• オンタリオ州: Practice Ready Ontario(PRO URL ⇒ mcc.ca
• ケベック州: Collège des médecins du Québec(CMQ) Practice Ready Assessment(PRA)
• ニューブランズウィック州: Practice Ready Assessment New Brunswick(PRA-NB)
• ノバスコシア州: Nova Scotia Practice Ready Assessment Program(NSPRAP) URL ⇒ cpsns.ns.ca
• ニューファンドランド・ラブラドール州: Practice Ready Assessment – Newfoundland and Labrador(PRA-NL)

注記: プリンスエドワードアイランド州、ユーコン準州、ヌナブト準州、ノースウエスト準州では、現在PRAプログラムは提供されていません。

アプローチ・難易度(更新 2025年4月):

カナダ永住権を持つことのメリット:

  1. 就労ビザが不要 → フェローシップの応募や医師免許取得の手続きがスムーズ。
  2. 雇用主のスポンサーシップなしで応募可能 → 仕事を見つけやすい。
  3. レジデンシー応募時に有利 → 永住権保持者はカナダ人と同等の扱いを受ける。
  4. 州ごとの医師免許申請がしやすい → 医療機関からのサポートなしで直接申請可能。

まとめ:
カナダ永住権を持つ場合、臨床フェローとして働きつつ、レジデンシーまたはPRAを利用して医師免許を取得するのが最も現実的な方法のようです。PRAルートを利用する場合、多くの州で MCCQE Part 1の合格が応募条件として求められております。PRA が利用できる州では、レジデンシーを経ずに免許取得が可能なため、より短期間で医師として働くことができます。

Note:
ここで書かれている情報は、2025年1月時点のものです。実際のご準備、お手続きをされる際は、カナダ国内の公式サイトで最新情報を必ずご確認くださいます様お願いいたします。
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最終更新:2025年4月7日

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