カナダ永住権取得後カナダ市民権の概要

概要:
カナダ永住権保持者は一定期間、カナダに居住しますとカナダ市民権申請の資格を得ることが出来ます。
申請資格要件 (Updated - March 2025):

申請前5年の内, 1095日以上, カナダ国内に居住: 短期滞在者("eTA" または就労ビザ等)としてのカナダ居住期間は 1日 = 0.5日の計算で, 申請前5年の内通算で365日(1年分)迄合算が認められます。
申請前5年の内3年以上の年度をカナダで税務申告。
申請時点で18～54歳の年齢の方は, 言語テスト/カナダ国に関するテストをパスする必要があります。但し, 形式的内容のテストであり難易度は高くありません。
18歳未満の方は保護者, または法定代理人のサポートの下で一定条件を満たすことで申請が可能です。

カナダ市民権保持者の権利・義務:

選挙権が与えられます。
陪審員義務: 高等裁判所のプロセスにおいて, 選挙人名簿から無作為抽出で選ばれた場合, 陪審員としての役割を果たす義務が生じます。
公職への就職の機会制限が無くなります。
重大犯罪を犯した場合でも, カナダの法律の下で保護されます。カナダ永住権保持者の方の場合は国外退去処分を受けることがあります。

Note #1:
カナダ永住権保持者は, 永住権を維持する条件として5年毎の期間に於いて通算で 730日以上 (2年以上) カナダ国内に居住する義務が定められておりますが, カナダ市民権保持者には、この様な必要居住日数に関する義務がありません。

Note #2:
カナダ永住権保持者は, 米国入国の為に ESTA (= Electronic System for Travel Authorization | 米国・電子渡航認証システム) を申請・取得する必要がありますが, カナダ市民権保持者はカナダ国・パスポート(または Canada Citizenship Card) のみで米国への入国・短期滞在が認められます。

News - March 13, 2025 "Lost Canadians" に市民権付与の暫定措置を発表:
カナダ政府が本日発表した暫定措置により、第1世代制限(FGL = First-generation limit)の影響を受けた一部の人々が裁量的付与による市民権を申請できるようになりました。

対象者:

2023年12月19日以前に出生・養子縁組され、第1世代制限の対象となる方
2023年12月19日以降に出生・養子縁組され、親がカナダとの「実質的なつながり」を満たす方
1949年4月1日以前に生まれ、第1世代制限の影響を受ける方
旧市民権法第8条により市民権を喪失した方

特に2番目のケース (「実質的なつながり」を満たす方)は、優先的に審査されます。

背景: FGL と法改正の遅延:
2009年に導入された第1世代制限(FGL) により、海外生まれのカナダ市民は、自身の子供にカナダ国籍を継承できなくなりました。2023年12月、オンタリオ州上級裁判所はFGLを違憲と判断し、政府は上訴を断念。これを受け、政府はFGLを修正するC-71法案を提出しましたが、成立が遅れています。C-71法案では、親がカナダに少なくとも3年間居住していた場合はFGLの適用対象外とする予定でした。しかし、議会の延期により、政府は2025年3月19日の法改正期限に間に合わない見通しです。今後の見通しとして、政府は裁判所に期限の12ヶ月延長を要請しましたが、認められない場合、市民権法の該当部分が無効となる可能性があります。

カナダ永住権の印象イメージ

カナダ移住参考リンク

☆ カナダ永住権とは ?
☆ カナダ投資ビザの解説
☆ カナダ大使館ビザ査証課状況

最終更新：2025年4月8日